奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
 王女の目の色は青だから、そこにサファイアやブルートパーズ、アクアマリンといった青系統の宝石や貴石を嵌め込み、美しくかつ実用的な品に仕上げたのだ。
 たしかに美しい仕上がりではあったけれど、茶会の席で見せびらかすような品ではないと思うのだが。

「だが、それがご婦人達に火をつけたらしくてな……」
「……あぁ」

 ひとりが見せびらかせば、欲しくなるのが人間というもの。どうりで、やたらに髪乾燥器の注文が入ると思ったのだ。

「魔術回路の方は、トーマスさんにお願いしていいんですよね?」
「ああ。商会の専属職人に回路を作らせようと思う」

 エリュシアと母の発明品であるから、作った魔術回路を勝手に使用されないようにトーマスとの間に契約を結んでいる。その上で、髪乾燥機の製作は他の職人に依頼することにした。
 さらにトーマスは、この魔術回路について国に届け、保護を依頼している。
 つまり、他の商会がエリュシアと母の魔術回路を使いたかったら、契約に基づいて商会に一定金額を払わねばならなくなった。トーマスは、その収益からエリュシアに一定金額を払うという契約である。
< 66 / 279 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop