奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
 でも、皇宮を見る度に、希望にも似た感情がこみ上げてくるのも本当のことだった。
 あの場所で、ディーデリックは戦っているのだろうか。
 今のエリュシアは彼に手を貸すことはできないけれど――彼は、彼の戦いを続けているだろうか。
 そういえば、エリュシアが逃亡した今、皇帝からの婚姻の申し込みを、父はどう対処するのだろう。ザフィーラを、送るのだろうか。
 政略結婚により、独立を保ってきたことを考えれば、皇帝からの婚姻の申し込みを断ることはできないだろうけれど……。
 なんて、今考えてもしかたないか。

(ディーデリック様。あなたの成功を遠くからお祈りしています)

 今のエリュシアは平民となってしまったし、強大な武力を持っているわけでもない。ディーデリックの無事を祈るぐらいしかできない。
 こうして彼の暮らしている地で生活すれば、彼の動向を知ることはできる。
 今の彼は、皇太子として必死に皇帝の後継者にふさわしい働きをすべく努力しているはずだ。
 その裏では、皇帝を倒す算段をしている。無謀な計画ではあるけれど、どうか彼の計画が成功しますように。
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