奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
今のエリュシアは、祈ることしかできない。この祈りが、彼の力になればいいのに。
(……さて、私は私の仕事をしなくては)
次の仕事の段取りを考えながら、歩き始めた時だった。
「――見つけた」
不意に聞こえた声に、エリュシアは勢いよく振り返る。
そして、そこで固まってしまった。
聞き覚えのある声。
今回の人生では、聞くことはないだろうと思っていた声。
振り返った先に、声の主は立っていた。
このあたりを歩いている庶民が身に着けているような簡素な服装だが、彼の持つ生来の気品は隠しきれていない。
「ディーデリック様……」
思わず漏れた声。
会いたかった。会えないと思っていた。
だって、エリュシア以外、記憶を持って戻っている人がいるとは考えてもいなかったから。
(……もしかして、殿下も記憶を持っているの?)
うっかり名前を呼んでしまってから気づく。エリュシアと彼は、名前で呼び合うような関係ではなかった。
「見つけた。魔道具師『エリア』――いや、エリュシア」
どうして? 心の中から叫ぶ声が聞こえてくる。どうして、彼はエリュシアの名を呼ぶのだろう。
(……さて、私は私の仕事をしなくては)
次の仕事の段取りを考えながら、歩き始めた時だった。
「――見つけた」
不意に聞こえた声に、エリュシアは勢いよく振り返る。
そして、そこで固まってしまった。
聞き覚えのある声。
今回の人生では、聞くことはないだろうと思っていた声。
振り返った先に、声の主は立っていた。
このあたりを歩いている庶民が身に着けているような簡素な服装だが、彼の持つ生来の気品は隠しきれていない。
「ディーデリック様……」
思わず漏れた声。
会いたかった。会えないと思っていた。
だって、エリュシア以外、記憶を持って戻っている人がいるとは考えてもいなかったから。
(……もしかして、殿下も記憶を持っているの?)
うっかり名前を呼んでしまってから気づく。エリュシアと彼は、名前で呼び合うような関係ではなかった。
「見つけた。魔道具師『エリア』――いや、エリュシア」
どうして? 心の中から叫ぶ声が聞こえてくる。どうして、彼はエリュシアの名を呼ぶのだろう。