奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
この国に来ても、彼との再会なんてまったく考えていなかった。だから、いざ顔を合わせてしまうと言葉が出てこない。
「エリア、お客様かな?」
ディーデリックの腕の中で考え込んでいたら、脇から遠慮がちな声が聞こえてきた。
工房の中にいると思っていたトーマスが、いつの間にか外に出てきている。
抱きしめられたままでいたことに気づいたエリュシアの頬が真っ赤に染まった。
「あの、中にお入りください……」
そっと彼の腕から身を解いたエリュシアは、小声で言った。トーマスに、どう説明すればいいのだろう。
トーマスは、相手がディーデリックであるのには気づいていないようだった。
たしかに有力商人ではあるが、皇帝一族と簡単に顔を合わせられるほどの影響力はまだ持っていない。
相手が誰であるのかをトーマスに告げるべきだろうかと考えていたら、トーマスは相手が訳ありであることに気づいた様子だった。
「エリア、私は手前の部屋にいるよ。奥の部屋を使いなさい。必要があったら、呼んでおくれ」
「……はい」
「エリア、お客様かな?」
ディーデリックの腕の中で考え込んでいたら、脇から遠慮がちな声が聞こえてきた。
工房の中にいると思っていたトーマスが、いつの間にか外に出てきている。
抱きしめられたままでいたことに気づいたエリュシアの頬が真っ赤に染まった。
「あの、中にお入りください……」
そっと彼の腕から身を解いたエリュシアは、小声で言った。トーマスに、どう説明すればいいのだろう。
トーマスは、相手がディーデリックであるのには気づいていないようだった。
たしかに有力商人ではあるが、皇帝一族と簡単に顔を合わせられるほどの影響力はまだ持っていない。
相手が誰であるのかをトーマスに告げるべきだろうかと考えていたら、トーマスは相手が訳ありであることに気づいた様子だった。
「エリア、私は手前の部屋にいるよ。奥の部屋を使いなさい。必要があったら、呼んでおくれ」
「……はい」