奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
「まさか、本当だとは思ってもいなかった。だが、宝玉を手にし、強く願った瞬間、使い方がわかったんだ。まるで、誰かに使い方を頭の中に流し込まれたみたいに」

 とディーデリックは続ける。
 その他にも、制約はあるそうだ。一度、時戻りの宝玉を使った者は、時を戻したあとは使えなくなるそうだ。
 つまり、やり直しが許されるのは一度だけ。

「俺は、今度こそあの人を退けなければならない」

 強い決意を秘めた口調でディーデリックは言った。彼は、一度目の人生でも皇帝をその座から退けようとしていた。
 それが実現する前に、エリュシアは死を迎えることになってしまったけれど。

「君のことだけが心配だったんだ。だが、君はここで生きている――ならば、それでいい。どうか、健やかに生きてくれ」

 エリュシアの無事を確認したディーデリックは、立ち上がろうとした。
 その時、なぜ手を伸ばしたのかエリュシア自身にもわからなかった。
 だが、エリュシアは手を伸ばし、ディーデリックの腕を掴んだ。

「待ってください。あなた一人で、どうしようというの?」

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