奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
「では、あなたはこちらに何を求める? 一方的に面倒をかけるつもりはない。金銭でも、地位でも、俺が提供できるものはすべて提供しよう」
「……私も、気になることがあるのです。皇宮に近づく機会を得られるのであれば、それにこしたことはありません」

 魔道具師ギルドの長とはいえ、自由に皇宮に出入りできるわけではない。そこでディーデリックの協力が得られるのならばという条件付きだった。

「何が気になっているのだ?」
「宮廷魔道具師ドミニク。彼に関する情報があったら渡してほしい――我々の懸念ならばいいのですが」

 ディーデリックの問いにシャリーンが語ったことによると、皇帝直属の魔道具師ドミニクが、怪しげな動きをしているのだそうだ。
 だが、魔道具師が自分の研究開発しているものを守るために、こそこそするのは珍しい話ではない。
 だが、どうにも彼の動向が気になってしかたないと彼女は語った。

「元々、彼からは異様に敵視されてはいたのですが……彼とあまり関わりたくなく、宮廷を離れたのです。今にして思えば、もう少し様子を見るべきだったのかもしれません」

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