奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
 シャリーンもまた皇宮に仕える魔道具師だった。だが、様々な事情が重なり、宮廷魔道具師をやめて魔道具師ギルドの長となった。
 それでも、宮中には気を配っているらしく、ここ数年ドミニクの動向が気になっているのだと説明してくれる。

「戦に使う魔道具を開発しているのであれば、いずれはそれを止める必要が出てくるかもしれません」

 そう語る彼女の表情は、とても険しいものだった。
 宮廷魔道具師ともなれば、皇帝に近いところにいる。エリュシアには想像もできないような魔道具も開発しているのだろう。
 協力を約束してくれたシャリーンは、優しい目をエリュシアに向けた。

「……エリュシア殿下が、王国を脱出してくれて本当によかったです。私も、なんとか殿下を救出したいと思っていたけれど、他国の王宮に侵入するのは難しくて……」
「救出? 私を?」

 母の師匠が、エリュシアのことを気にかけてくれているとは想像もしていなかった。理由がわからずに戸惑う。

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