奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
「エルフリーダから、手紙をもらったのよ。おそらく、エルフリーダは毒殺されたのだと思うわ。エリュシア殿下が殺される前に救出してほしい、と――そう依頼を受けたの」

 あまりにも思いがけない告白に、時間が止まった気がした。
 母は、毒殺された――薄々とは考えていたけれど、それが真実だったなんて。

「なぜ? どうして? 誰が……いいえ、心当たりは……でも、お母様を殺すなんて」

 心当たりがあるとすれば、正妃デリアぐらいのものである。
 彼女は、平民出身である母のことを異様なまでに敵視していた。本来ならば、母なんて、正妃の目につくような存在ではないだろうに。
 母が亡くなったあと、つらい生活を送ることになったのは、デリアが手を回していたかららしいというのもうすうす察していた。

「クラニウス王国では、多くの妃を持つものでしょう」

 それが、クラニウス王国の生き延びるための術だった。
 国王は正妃の他複数の側妃を持ち、そして周辺諸国と縁談を結んで平和の証とする。

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