奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
「時戻りのことまで話す必要はないわ。それは、魔道具師である私が知っていればいいこと――彼は、エルフリーダをクラニウス王国に連れて行ったことを悔やんでいると思う。彼にも、あなたを支援する機会を与えてほしいの」
「そうだな。シャリーンの言うとおりかもしれない」
「……でも」
迷っているのは、エリュシアだけかもしれない。
すべてを話す必要はたしかにない。
トーマスに告げるのは、母の敵を取りたいということ。
そして、帝国を変えたいということだけ。『エリア』の雇い主であるトーマスに話をしておかなければ、自由に動けなくなるかもしれない。
「あなたの工房に行くわ。トーマスと面会する手配をしてもらえるかしら」
「わかりました」
今日、シャリーンに会いに来てよかった。
思いがけず、母の死の原因を知ることにもなったけれど。
改めてトーマスと話をすることになったのは、それから一週間後のことだった。
お忍びのディーデリックと、事前に約束をしたシャリーンが、工房を訪れる。
「……シャリーン様、それは」
「遮音の魔道具よ。これから話すことは、あなた以外の人には聞いてほしくないから」
「そうだな。シャリーンの言うとおりかもしれない」
「……でも」
迷っているのは、エリュシアだけかもしれない。
すべてを話す必要はたしかにない。
トーマスに告げるのは、母の敵を取りたいということ。
そして、帝国を変えたいということだけ。『エリア』の雇い主であるトーマスに話をしておかなければ、自由に動けなくなるかもしれない。
「あなたの工房に行くわ。トーマスと面会する手配をしてもらえるかしら」
「わかりました」
今日、シャリーンに会いに来てよかった。
思いがけず、母の死の原因を知ることにもなったけれど。
改めてトーマスと話をすることになったのは、それから一週間後のことだった。
お忍びのディーデリックと、事前に約束をしたシャリーンが、工房を訪れる。
「……シャリーン様、それは」
「遮音の魔道具よ。これから話すことは、あなた以外の人には聞いてほしくないから」