領地開拓のために捨てられ令息を拾ったら、わんこ系イケメンになって懐かれました!
「僕は、嬉しいです」
 セシルは照れたような控えめな笑みを見せた。
 アミュエルは両手で顔を覆って天を仰いだ。

 かわいい……。年上とは思えない。
 弱々しい美青年が、こんなに庇護欲をそそるものだとは思いもしなかった。

「セシル様、絶対に大事にするからね!」
「ありがとうございます」
 セシルの控えめな笑顔は月光のような澄んだ輝きがあり、庇護欲は存分に刺激されたアミュエルは悶絶した。

 全員で席に着き、メイドが運んできた食事をみんなでいただく。
 ジェイソンは食事を始めてそうそうにセシルに言った。

「さっそく明日から地属性の能力を使っていただきたい」
「はい、僕にできることでしたらなんでも」

「ゆくゆくはため池を作ったり、灌漑(かんがい)のための水路を作ったりもしてほしい」
「それくらいは簡単にできると思います」
「それは頼もしい」

 ジェイソンとセシルの会話に、アミュエルは首をかしげる。
 父は冗談か社交辞令だと思ったらしく軽く流しているが、水路を作るのが簡単にできるとは。どれほどの力があるのだろう。

 翌日、アミュエルはジェイソンに頼んで一緒にセシルの力を確認する現場に行った。
 青空の下、草をむしられた剥き出しの大地が広がっている。

「ここを開墾(かいこん)したいのだが、石がたくさん混じっていてね。なかなか進まないんだ」
「わかりました。土を掘って石を取り除きます」
 彼が両手を突き出して念じると、ごごご、という音が聞こえた。
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