領地開拓のために捨てられ令息を拾ったら、わんこ系イケメンになって懐かれました!
「なんだ!? 地震!?」
「お父様、違うわ」
 目の前の地面がどんどん掘り起こされて、石ころは片隅に積まれていく。

「これを彼が!?」
 ジェイソンが驚く間に、リビングほどの広さの土地が黒々とした地表を見せた。
 念じるのをやめ、セシルが尋ねる。
「こんな感じでどうですか?」
「すばらしい!」
 ジェイソンは歓喜の声を上げ、アミュエルはぽかんとその光景を見ていた。
 数人がかりが手作業で何日もかかることを、この人は一瞬で成し遂げてしまった。

「もしかして井戸掘りも簡単にできるの?」
「はい、水脈を見つけるのが少しめんどくさいですが」

「すごい! 石の種類とかも判別できる?」
「できると思います。金とか銀とか……修行させられましたので」

「だったらうちのたくさんある山を巡って鉱脈があるかどうか、すぐにわかるのね!」
 アミュエルは彼の手を握って目を輝かせて彼を見た。

「わかると思います……」
 彼が照れて目を逸らすので、アミュエルははっとしてすぐ手を離した。

「ごめんなさい」
 すぐに謝る。彼が控えめだから異性であるという認識が薄れてしまう。しかも、ドレスを着せたら絶世の美女として通用しそうなほどのたおやかな見た目だ。

「今日はほかにも能力の確認をさせてもらって、明日からは実践的に働いてもらうぞ。多くはないが、ちゃんと給料は払うからな」
「ありがとうございます」
 ジェイソンの言葉に、セシルは深々とお辞儀をした。
< 11 / 17 >

この作品をシェア

pagetop