領地開拓のために捨てられ令息を拾ったら、わんこ系イケメンになって懐かれました!



 食事を終えたあと、ハリアードは先に部屋に戻り、アミュエルとセシルも部屋に戻るべくダイニングを出る。
 階段の上で各部屋に分かれようとしたとき。

「あ、あの」
 セシルに呼び止められ、アミュエルは立ち止まる。彼はもじもじして、それから意を決したように顔を上げた。その頬は少し赤らんでいる。

「絶対に渡しませんって言われて嬉しかったです」
「良かった」
 にっこりと笑顔を返すとセシルの顔がぱあっと輝き、アミュエルは眩しさに目を細める。
 こんな素直ないい人を、よくあの令嬢は虐げることができたものだ。

「僕、アミュエル様のためならなんでもしますから!」
「大袈裟ね」
「本当ですよ」
 目をきらきらさせているセシルに、アミュエルはふふっと笑った。

「保護者として、あなたのことはちゃんと守るからね!」
「保護者、ですか……」
 セシルはシュンとしてうなだれる。

「僕って、そんなに頼りないですか」
「そういうわけじゃ……」
「いいです、僕、脱・被保護者を目指して頑張ります。きっとあなたを……」
 言いかけて、セシルはハッとしてうつむく。

「その、あの……頼りがいがあるって思ってもらえるようにします」
「なに言ってるの、もう頼りにしてるから!」
「はい!」
 答えるセシルは気合を入れるように拳を握って、よし! と振る。

 張り切るセシルもまたかわいくて、アミュエルはきゅんとした。
 あたたかい気持ちでベッドに入ったその日、かわいいわんこに懐かれる夢をみた。
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