領地開拓のために捨てられ令息を拾ったら、わんこ系イケメンになって懐かれました!
「王都からは追放処分だ! 追放先は……」
「はいはい!」
 アミュエルは思わず手を挙げていた。

「うちの領地で引き受けます、その人!」
 王子があっけにとられて、場がシーンと静まり返る。

 しまった、やちゃった!
 そうは思うが、もう引き返せない。
 群衆の向こうで、あわあわと慌てている父の姿が見えたが、任せてくれ、とジェスチャーで伝える。

「うちはド田舎で、そりゃあもう、誰もが嫌がる超ド田舎で、追放先にはうってつけなんじゃないかな、と」
 えへへ、と焦る内心をごまかすように笑う。追放先にふさわしいなんていうプレゼンする日が来るとは思ってもみなかった。

「道路整備もぜんぜんだし、荒れ地が多いし山ばっかりで、ほんと大変なんですよね、川から水を引こうにも地盤が固くてなかなか掘れなくて」
「お前は誰だ」

「失礼いたしました。アミュエル・ノルフィ・スタンと申します。北の方の、ルグレー地方から参りました」
「知らんな」

「え!?」
 アミュエルは思わず声を上げていた。一国の王子が自国の地方を知らないなんて。お父様がダメだと言っていただけのことはある。

「ハリアード、ルグレーを知っているか?」
「この者の言う通り、僻地でございます」
 玲瓏な声での返答に、ウィルフレッドは、ふむ、と頷く。
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