恋を知らない侯爵令嬢は裏切りの婚約者と婚約解消し、辺境地セカンドライフで溺愛される
 スカーレットお姉様は私の憧れで目標よ。

 宮廷貴族であるロスリーヴ侯爵様に嫁がれてから、侯爵様がお城に赴いているときは女主として、お屋敷を取り仕切られている。

 ロスリーヴ侯爵家の屋敷から学園に通うよう奨めて下さったのもスカーレットお姉様だ。
 このお屋敷を初めて訪れたとき、お姉様に淑女教育を習うことが出来ると、喜んではしゃいだくらいよ。

 今だって、とても感謝している。
 だから、心配ばかりかけていることが心苦しいの。

「夕食までまだ時間があるから楽しみましょう」

 微笑むお姉様は、お気に入りのティーカップに注がれた紅茶の香りを楽しまれた。
 そうして、話題は本へと移っていった。

「リリーは最近、どんな物語を読んでいるの?」
「物語ですか?」
「えぇ。アルフレッドから聞いたのだけど、リリーは勉強よりも読書に夢中らしいわね。今も、背中に本を隠したでしょ?」
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