恋を知らない侯爵令嬢は裏切りの婚約者と婚約解消し、辺境地セカンドライフで溺愛される
「……勉強もしています」

 まるでオモチャを隠したと咎められたようで、申し訳なさと恥ずかしさに、居心地悪くうつむいた。

「ふふっ、咎めてはいないわ。今までいっぱい頑張ってきたんだもの。卒業までもう半年でしょ? 少しくらいサボっても怒られないわ」
「そうでしょうか……」
「そうよ。リリーは真面目過ぎるのよ。それで、どんな物語が好きなの?」

 カップを受け皿に降ろしたお姉様は、興味津々な顔で尋ねてきた。

 どうしよう。お姉様が好きそうな物語って、恋愛とかお姫様が出てくるような物語よね。私が好きな世界とはきっと違うわ。
 
 隠そうとした冊子に触れながら、がっかりさせやしないかと、不安がよぎった。
 
「真面目なリリーは古典文学とか読みそうね。思い切って、新しい世界の物を読むのも良いわよ」
「新しい世界……」

 その言葉にドキリとして、お姉様を見た。
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