恋を知らない侯爵令嬢は裏切りの婚約者と婚約解消し、辺境地セカンドライフで溺愛される
 それから、メイドたちはカーラを残して退室した。

「リリーステラ様、あまり気に病むことはありませんよ」
「……でも、ヴァネッサ様がお話になるまで、聞かない方がよかったのかも」

 ベッドを整え直すカーラに、首をもたげた不安を打ち明けた。
 クラレンス辺境伯家に迎えられたのだから、お屋敷のこれまでを知る必要があると思った。ただそれだけだった。でもよくよく考えたら、知られたくない過去や抉られたくない心の傷だってあって当然じゃない。
 私はなんて、はしたないことをしてしまったのだろう。

「ヴァネッサ様は私に知られたくなかったんじゃ……」
「それは考えすぎですわ」
「でも……」
「リリーステラ様のご負担になると思ったのではありませんかね」
「私の負担?」
「きっと、ヴァネッサ様は男子を授からずに苦しまれていたと思います」

 そういって、カーラは自身のお腹をそっと撫でた。

「実は、私のお腹にも子がいるのです」
「そうなの!?」

 驚いて視線をお腹に移動する。

「お腹って膨らまないものなのね」
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