恋を知らない侯爵令嬢は裏切りの婚約者と婚約解消し、辺境地セカンドライフで溺愛される
 横に座ったアルフレッドの肩に寄りかかり「私はもう主じゃないのよ」といってみた。
 主従関係を十五年続けたんだもの、そう簡単に変われないのもわかる。でも、やっぱり少しくらい強引に引っ張られたい時だってあるし……

「横暴はよくないけど、少しくらい強引な姿も見てみたいわ」
「……難しいことを仰りますね」
「そうかしら?」
「難しいですよ。強引に迫り、リリーに嫌われてしまったら……」

 いいかけたアルフレッドが口を閉ざし、ティーカップに指を伸ばした。
 話の続きが気になって横顔を見つめ続けたけど、その先はなかなか教えてくれない。

「私がアルフレッドを嫌うわけないでしょ?」
「……どうでしょうか。あれほど喜んでいたご婚約者も、裏切られたら憎くなったのですよ」
「喜んだって、それは子どもの頃の話しでしょ。十歳の頃よ。それに……」

 私を見ないアルフレッドに少しだけ不安を感じ、その腕を引っ張って両手でぎゅっとしがみ付いた。
 振り返った彼の目が驚きに見開かれる。

「アルフレッドが私を裏切る訳ないじゃない」
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