恋を知らない侯爵令嬢は裏切りの婚約者と婚約解消し、辺境地セカンドライフで溺愛される
 きっと、甘えすぎていたんだわ。
 アルフレッドならわかってくれる。私を一番に考えてくれる。それはきっと、これからも変わらない。でも、だからこそちゃんと言葉にしないといけないんだ。

「アルフレッド、お願いがあるの」
「なんでしょうか?」
「これからは、思っていることを包み隠さず、私にいって!」

 握りしめたアルフレッドの手が、一度、びくりと動いた。切れ長の目が見開かれ、エメラルドのような瞳が忙しく動いている。
 もう、どれだけ私に遠慮して気持ちを隠しているのかしら。

「アルフレッドの気持ちを、ちゃんと全部受け止めたいの。どんな些細なことでもいいから、言葉にして」
「どんなことでも、ですか?」
「そうよ。嬉しいこと、嫌なこと、なんでも! さっきみたいに、怒ってもいいわ。でも、怒る前に本当の気持ちを教えて」

 大きな手を胸に引き寄せる。

「ほら、まだドキドキしてるでしょ。怒ったアルフレッドはすごく怖かった。けど、嬉しかったの……本当の気持ちを知れたんだって思えて」

 私を見つめる瞳が柔らかい光を讃えた。優しい声で、噛み締めるように「リリー」と私を呼ぶ。
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