恋を知らない侯爵令嬢は裏切りの婚約者と婚約解消し、辺境地セカンドライフで溺愛される
 おそらく、待てといわれたらいつまでも待つのよ。でも、それが平気なわけじゃない。なにかご褒美をもらわないと、拗ねてしまうわ。
 
「困ったわね……じゃあ、男性に微笑みを見せただけ、毎晩キスをするのはどうかしら?」

 提案しながら恥ずかしさが込み上げて、耳が熱くなった。
 私を見るアルフレッドは、しばらく言葉の意味が理解できなかったのかもしれない。じっと私を見つめると「キス?」と問い返してきた。
 ますます耳が熱くなっていく。

「そうよ。……アルフレッドがしたいところに、キスをして」

 言葉にしながら、全身が熱くなっていく。
 額や頬だけじゃない。アルフレッドが望むなら、唇以外でも私は受け止めたい。

 太い指先が私の唇を撫でた。その指先が首を撫で、胸元に触れる。

「どこでもいいのですか?」

 耳元で囁く声に小さく頷いた。

「それなら、たくさんの男に微笑んでもらわないといけませんね」
「──!?」
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