恋を知らない侯爵令嬢は裏切りの婚約者と婚約解消し、辺境地セカンドライフで溺愛される
 こんな理不尽なことが許されるのかしら?

 でも、いくら私が駄々をこね、卒業後に婚礼を迎えたとしても、フェリクス様のお心は変わらないのでしょう。
 あんなに、ダイアナと仲睦まじい姿を見せつけていたんだもの。
 
 それに、ダイアナを愛しているだろうフェリクス様を、私は慈しむことができるのだろうか。
 きっと私を愛してはくれない彼……
 
 私の恋は始まることも知らず、粉々に打ち砕かれてしまった。

 いくら恋に疎い私でも、それくらい分かるわ。
 だけど、始まってもいない恋を終わらせることは、どうしようもなく難しい。

 だって、私は家のために嫁ぐのが役目の侯爵令嬢よ。

 お父様はウォード侯爵家のために、オーランド伯爵家との繋がりを求めているんだもの。それに、従うしかないじゃない。
 愛されないと分かっていたとしても……

 散り散りになる心を繋ぎ止めようと、私はベッドに駆け込んで本を開いた。
 
 誰でもいい。私を、別の世界へ連れて行って。
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