恋を知らない侯爵令嬢は裏切りの婚約者と婚約解消し、辺境地セカンドライフで溺愛される
 私はいつの間にか眠りに落ちていたようだ。
 優しい声が、耳元で「お嬢様」と私を呼んでいる。

 そっと目蓋をあげると、部屋にともされた明かりの中、心配そうな顔をしたアルフレッドがいた。

「お食事は部屋に運ばせましょうか」
「もうそんな時間なのね。……食堂へ行くわ」
「ですが、お顔色がよろしくないかと」
「大丈夫よ。部屋に籠ってしまったらお姉様を心配させてしまうわ」

 笑って答えると、静かに「かしこまりました」と返したアルフレッドは少し眉をひそめた。
 白い手袋に包まれた大きな手が差し出される。それに指をそえれば、優しく体が引き上げられた。

 ベッドを降りると、アルフレッドは控えていたメイドに私の着替えを手伝うように言って退室してしまった。

 よく見れば、ドレスのスカートがよれている。
 そのままベッドで寝てしまったせいね。なんて、だらしのない姿かしら。

 アルフレッドに、はしたない姿をまた見せてしまったわ。
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