恋を知らない侯爵令嬢は裏切りの婚約者と婚約解消し、辺境地セカンドライフで溺愛される
 夕食の後、白磁のカップに紅茶が注ぎ入れられると、お姉様の旦那様──ロスリーヴ侯爵様はアルフレッドを残して他の使用人を全て下がらせた。
 
 大切なお話があるのだわ。それも、私の身にかかわること。きっと昼間に屋敷を訪れたフェリクス様とダイアナにも関係していて──考えると、胸の奥がギュッと苦しくなった。
 
 眉根を寄せた侯爵様は、精一杯の優しいお声で私を呼んだ。

「リリーステラ。五日後に、ご両親が到着されることは聞いたかい?」
「はい。聞いています」
「そうか……これから話すことは、受け止めるには辛いだろうが、大切なことだ。最後まで、冷静に聴きなさい」

 そう言った侯爵様は深く息を吸うと、静かに語り始めた。

「フェリクス・オーランドから婚約解消の申し入れがあった。そなたではなく、ダイアナ・アプトンを妻に迎えたいとのことだ」

 冷酷な申し入れは、私の想像していた言葉と一言一句違わわなかった。
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