恋を知らない侯爵令嬢は裏切りの婚約者と婚約解消し、辺境地セカンドライフで溺愛される
 瞬きを繰り返し、スカーレットお姉様を見つめることしかできない。
 
 息巻いていたお姉様は、すっかり飲み頃になった紅茶で喉を潤すと私へ視線を戻した。でもすぐに、私の後ろで控えるアルフレッドを見て微笑む。

「あ、あの……お姉様?」
「何を驚いているの。幼い頃から貴女を見守ってくれたアルフレッドでしたら、何の心配もいらないでしょ?」
「い、いえ、あの……アルフレッドは、私の従者ですし、その、兄といいますか幼馴染といいますか……」

 そもそも、アルフレッドは子爵家の息子だから、お父様がそこに嫁ぐことを認めるとは思えない。
 だって、大きな騎士団を持つオーランド伯爵様だから、有益性を考えて私を嫁がせようとしたのよ。
 
 バークレー子爵家は我が家と繋がりがあっても、そういった有益性がないのでは……
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