恋を知らない侯爵令嬢は裏切りの婚約者と婚約解消し、辺境地セカンドライフで溺愛される
 唐突な話に驚いた私は、悲しみを吹き飛ばされ、涙が止まっていることに気づいた。
 
「リリー、貴女が選んでいいのですよ」
「……私が、選ぶ?」
「そうです。不誠実を働いたのはあちらなのですから、貴女には選ぶ権利があるわ。それに、私と旦那様は味方よ」

 お姉様が、まるで女神かと思えるほど優しく微笑んだ。
 
 フェリクス様とダイアナのことを知り、嫁いでからの私の人生はどうなるのかと悲観していた。嫁がないという選択肢があるなんて。
 
 それだけでも青天の霹靂なのよ。それどころか、アルフレッドに嫁ぐなんて。
 それって、彼と恋をするってことでしょ?
 考えもしなかったわ。

 そわそわとしながらアルフレッドを振り返る。そこには、いつもと変わらず静かにたたずむ姿があった。
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