恋を知らない侯爵令嬢は裏切りの婚約者と婚約解消し、辺境地セカンドライフで溺愛される
本の上に乗せた指を膝に戻そうとした時、それを止めるように、アルフレッドの指がそっと重ねられた。
「お嬢様は、今、お心がとても傷ついていおられます」
「……そうね」
「現実逃避をしたいお気持ちは分かりますが、現実は、物語のようにはいきません」
「……分かっているわ。それでも、ここじゃない場所に行けるアルフレッドが、羨ましいの」
そう、わかっているわ。私は逃げ出したいだけなの。
フェリクスとダイアナは、二度と私の前に姿を現さないだろう。
変わるのはそれだけのことよ。
私は学園を卒業し、新たな婚約者が決まるまでは、ウォード家で家業を教わりながら過ごすことになる。ほとんどが、今までと変わらない生活だわ。