恋を知らない侯爵令嬢は裏切りの婚約者と婚約解消し、辺境地セカンドライフで溺愛される
 肩を強く抱き締められ、耳元で「しっかり掴まっていなさい!」と強く言いつけられる。

 思わず口元を緩めてしまった。
 だって、結婚してからも主従関係がなかなか抜けないアルフレッドが、私に強くいってくれたんだもの。
 なんだかそれって、遠慮がない感じがするわ。

 笑っていることを知られたくなくて、アルフレッドの背に両手を回し、その胸に顔を埋めた。

 アルフレッドの胸元から、ふわりとカモミールの香りがした。その直後、聞こえてくる心音がかき消されるような耳鳴りが襲ってきた。

「アルフレッド!? 耳が、痛いわっ」
「ご辛抱を!」

 顔をあげると、上空を見つめていた緑の瞳が強く輝いた。
 アルフレッドの右手が上空に突き上げられる。
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