恋を知らない侯爵令嬢は裏切りの婚約者と婚約解消し、辺境地セカンドライフで溺愛される
 大きな手が私の髪に触れ、くっついたらしい葉を払ってくれる。

「寿命が縮まります」
「それは大変ね。癒しが必要かしら?」
「……大人しく屋敷で待ってくださる方が助かるのですが」

 ため息をついたアルフレッドだけど、次の瞬間にはあきれたように笑う。

「そんなにキラキラした目で見つめられたら、閉じ込めておけませんね」

 何だかんだで私に甘いのは、一ヶ月前と変わらない。

「だけど……」
「アルフレッドの側は離れない、でしょ?」

 汚れたスカートの埃を叩きながら答えると、アルフレッドは「そうです」といって、私の手を握りしめた。

「これからどうするの? また、塔に入る?」
「塔が生きていると判明したので、一度、屋敷に戻りましょう。過去の資料を当たり、対策を練ります」

 私の手を引いてアルフレッドは歩きだした。
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