恋を知らない侯爵令嬢は裏切りの婚約者と婚約解消し、辺境地セカンドライフで溺愛される
 初めて見る姿に、胸が高鳴る。愛おしくて仕方ない。
 だけど、当のアルフレッドはまだ立ち直れないみたい。こうして甘えるような姿を見せてくれるのも嬉しいけど……
 
「アルフレッド……私のために、無理したのよね?」

 私の背に回された手がピクリと反応する。
 やっぱりそうだわ。

 私は癒し手の力以外、魔法はほとんど使えない。
 そもそも、学園でも学科がいくつかあり、癒し手のほとんどは攻撃性の高い高等魔法を学ばない。癒しや結界に特化した魔法を学ぶ。

「塔から落ちたときに使った魔法もだけど、最上階に行くまでもたくさん使っていたでしょ?」

 きっと、私に気付かれないよう常に魔力探知も発動していたのだろう。念の入れようは、アルフレッドの真面目な性格から想像がつく。

「守ってくれるのは嬉しいけど、無理はよくないわ!」
「それは……リリーを守ると決めたので」
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