恋を知らない侯爵令嬢は裏切りの婚約者と婚約解消し、辺境地セカンドライフで溺愛される
「そこは、危険なところに行かないで、ではないのですか?」

 少し笑いを含んだ声が耳に触れる。

「だって、アルフレッドは真面目だもの。辺境伯として赴かなければならない時が来たら、きっと、私が止めても行くでしょ?」
「私は、リリーを危険な場所に連れていきたくないのですが」
「それは私も同じ。だから、行くときは一緒なの。置いていったら許さないんだから。それに……私はアルフレッドの側を離れちゃいけないんでしょ?」

 小さなため息が耳に触れ、覆いかぶさるアルフレッドの唇が頬をかすめた。

「善処しましょう」
「約束よ!」

 肩越しにアルフレッドを振り返ると、唇に熱い吐息が触れた。
 ゆっくりと体を向き合わせ、逞しい胸に手を添える。

 アルフレッドは角度を変えながら、何度も私の唇を啄んだ。
 小さなリップ音を立てて離れる頃には、キスで誤魔化されたりしないわと思っていた気持ちもすっかりほぐされていた。 

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