座敷牢令嬢は今日も謎を解く
風邪通りの悪い厠の臭いがこの部屋には充満していて吐き気がしそうだ。
「あなたにはここがお似合いよ」
さっきまでの優しそうな笑みはどこへやら、意地悪そうに眉を吊り上げて笑う義母。
義父の方は仕事を終えたと言わんばかりの態度でキヨに見向きもしない。

「だ、旦那さまはどこですか!?」
まだ自分の旦那になる人の顔すら見ていない。
せめて自分はどんな人と結婚したのか、キヨは見ておきたかった。

「その呼び方はやめなさない。秀雄はあなたのことを妻だとは認めていません」
「でもっ……」
喉まで出かかった反発の言葉が義母の厳しい視線によって止まってしまう。
政略結婚だということはお互いに理解していたはずだ。
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