座敷牢令嬢は今日も謎を解く
菅原家はとっくに動いているはずだ。
「続きをお読みください」
田中に促されてキヨは再び資料に目を落としたのだった。

☆☆☆

障子の向こう側に人影が見えて周囲を伺っているのがわかった。
その影だけでも相手が自分の息子であることはわかった。
『秀雄か』
『入っていいですか?』

『あぁ』
返事をすると秀雄が障子をあけてするりと体を滑り込ませてきた。
音を立てないよう、そっと障子をしめて大旦那の前に座る。
『薬草師に頼んでいたものが届きました』
小さな声で言い、懐から折りたたまれた紺色の手ぬぐいを取り出した。
大旦那は右手を伸ばして手ぬぐいを開き、中に入っていた白い粉を見つめた。
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