座敷牢令嬢は今日も謎を解く
顎に指を添えてブツブツと呟きながら座敷牢の中を歩き回る。
キヨが歩く度に古い床板がギィギィ鳴いた。
と、そのときだった。
ひとつの足音がこちらへ近づいてくるのが聞こえてきてキヨはすぐ格子戸に張り付いた。

外の廊下を確認しててもまだ相手の姿は見えない。
「トミ?」
声をかけてみても返事はなかった。
トミであればもっと慌ただしい足音がして、すぐに駆け寄ってくるだろう。
相手がトミじゃないとわかったキヨは格子戸から少し離れて身構えた。

コツコツと聞こえてくるその音は靴を履いているのか。
やけにゆっくり落ち着いた足音なので大人のものだとわかる。
屋敷内で靴を履いて歩くなんて。
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