座敷牢令嬢は今日も謎を解く
当初言っていたように大事にしたくないのはわかるけれど、このまま事件が風化してしまうことが懸念される。
「キヨ様のことを見てみたいっていう使用人が沢山いるんです」
ようやく興奮が治まったのか、敬語を思い出してトミが言う。

「それなら連れてくればいいじゃない」
軽い気持ちでそう言ったのだけれどトミは困ったように眉を下げて黙り込んでしまった。
ここへ来るのはトミと田中のふたりだけ。
他の使用人たちがキヨに会いたいと願っても気切れてもらえないことは想像に容易い。

「それで、私考えたんです!」
落ち込んだ気持ちを吹き飛ばすようにトミが言う。
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