座敷牢令嬢は今日も謎を解く
そう促してくれたのは1度合ったことのあるこの家の亭主、夫となる人のお父さんだった。
人懐っこく微笑むその姿にキヨもほほえみ返す。
隣に立っているのはきっと相手の母親だ。

こちらにも柔和な笑みが浮かんでいて一安心する。
キヨの素性を知った上での婚姻だ。
そこに不満はないように見えた。
けれど肝心の夫になる人の姿がないようで、キヨはキョロキョロと周囲を見回してしまった。

「秀雄は奥にいる。緊張して出てこなかったんだよ」
義父が苦笑いを浮かべながら塀の中へと案内してくれる。
塀を抜けた瞬間広い日本庭園が広がり、どこからか水の音も聞こえてくる。
池でもあるのかもしれない。
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