そんな君達が大好き

『な……なにを』

一歩後ずさる私との間を男達は容赦なく詰めてきた。


「男子校に入学するのが悪いんだよ?」

ニヤリと微笑を浮かべる男

「そうそう。俺達が襲っちゃうし?」


……襲っちゃうって


「んじゃ……いただきまぁす」


男の言葉と同時に抱きしめられる形になる私。。。


『!?……ちょっ!嫌!!』


抵抗しても男の力に敵うわけもなく男の抱きしめる力がさらに強くなる。


……く…苦しい……マジで勘弁してッッ


「いいニオイ〜。マジで理性とんじゃう」

『やめてよ!!ちょっと離して!!』


さっきから呼吸がちゃんとできてねぇんだよッッ!!


「お前ばっかズリー」

「俺キスしたい〜」


てめえらでしてろ!


負のオーラ放出中の私の顔が上を向いた。目の前には男の顔がある。


「マジで可愛いね〜?姫香」


ちゃっかり呼び捨てっスかぁ〜。馴れ馴れしいんスよ

男の顔がみるみる近づいてくる。

あぁ〜もう我慢できない……


『あんた等いい加減に……
「何してんのオマエ等?」

私の声は誰かの声に遮られた。

突然の声に驚いたのか私を抱きしめている力が弱まった。すかさず男の手を振り払うと充分に呼吸をしながら声のした方向へ顔を向けた。



『………なっ!?』


驚嘆に瞳が見開かれた。

瞳に写ったのは、倒れている二人の男と一人の黒髪の男だった……





まさか…この人一人で?


微笑を浮かべる男を、私はじっと見据えた。
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