絶対零度の王子殿下は、訳アリ男装令嬢を愛して離さない
十六歳の春、セレナは家を出て魔法学校への入学が決まっていた。
今日から三年間、セレナは魔法学校で寮生活を送りながら魔法についてのあれこれを学ぶのだ。それは、魔力を持つ貴族子息なら誰もが当たり前のように通る道でもあった。
当然のごとく、セレナもその道を進まざるを得なかった。
男ばかりの学校で、しかも寮の部屋は相部屋しかない状況の中、不安しかないけれどやるしかない。父からの命令に背く度胸も術も持ち合わせていないのだから。
「では、行って参ります」
母と見送りに来てくれた使用人たちにそう言って、セレナは馬車に乗り込む。
「セ……、カイル、便りを頂戴。……お願いよ」
「わかりました。必ずお出しします。母上もどうか息災で」
馬車の小窓から顔を覗かせてそう返すや否や馬車が動き出す。ガタガタと弾む車輪を感じながら、まるで処刑場に向かう気分だと思った。これから先、自分がどうなるのか皆目見当がつかない。
でも、これだけははっきりしている。
三年間、男の振りを突き通さなければならないということ。
自分に課せられたのは、ただそれだけ。
果たして、自分を待ち受けている未来は幸か不幸か。
セレナの心は不安で押しつぶされそうだった。
今日から三年間、セレナは魔法学校で寮生活を送りながら魔法についてのあれこれを学ぶのだ。それは、魔力を持つ貴族子息なら誰もが当たり前のように通る道でもあった。
当然のごとく、セレナもその道を進まざるを得なかった。
男ばかりの学校で、しかも寮の部屋は相部屋しかない状況の中、不安しかないけれどやるしかない。父からの命令に背く度胸も術も持ち合わせていないのだから。
「では、行って参ります」
母と見送りに来てくれた使用人たちにそう言って、セレナは馬車に乗り込む。
「セ……、カイル、便りを頂戴。……お願いよ」
「わかりました。必ずお出しします。母上もどうか息災で」
馬車の小窓から顔を覗かせてそう返すや否や馬車が動き出す。ガタガタと弾む車輪を感じながら、まるで処刑場に向かう気分だと思った。これから先、自分がどうなるのか皆目見当がつかない。
でも、これだけははっきりしている。
三年間、男の振りを突き通さなければならないということ。
自分に課せられたのは、ただそれだけ。
果たして、自分を待ち受けている未来は幸か不幸か。
セレナの心は不安で押しつぶされそうだった。