兄の結婚式で久しぶりに会った初恋の人と0日婚ということでお願いします
「もうちょっと早く企画を決めなくちゃいけなかったのにさ…さすがに年明けてはきつい」
珍しく廉さんが弱音を吐いていた。
それも仕事が終わってからの準備だから大変だ。
玄関で音がして、香穂理は小走りで駆けつけた。
「おかえりなさい〜」
「ただいま…ふう」
廉さん、相変わらず疲れてるね…
「食事出来そう?」
「うーん、9時頃に差し入れでサンドウィッチを食べたからな」
「あ…」
香穂理は口を閉じた。
無理言っちゃいけない…
廉は察したのか
「作ったのなら少し食べるよ」
「うん、ありがとう…先にお風呂も入る?」
着替えて入ってくると部屋に入ってしまった。
やっぱり今日じゃなかったのかな…別の日にすればよかったのかも…
でも、私に出来る事なんてこれくらいだし…
料理を温めていると廉がリビングのドアを開けた。
「えっ?」
「えっと、廉さん!お誕生日おめでとうございます!」
リビングには29の数字のバルーンとHAPPYBIRTHDAYのバルーンが飾られていた。
「あっ、俺、誕生日だな」
「はい、お誕生日です(笑)日付け変わって帰ってきたらどうしようとか色々考えたんですけど、これくらいしか思い浮かばなくて…」
「俺、話したっけ?」
「もちろんお兄ちゃんからです、冬生まれなのは昔から知っていて…えっとお酒はお休みの日にしますか?」
香穂理は冷蔵庫からシャンパンを出した。
「そうだね、酒はゆっくり香穂理ちゃんと飲みたいからね」
「これだけでもどうぞ」
香穂理は豚汁をお椀に注いだ。
「うちの自家製味噌で作りました!」
「うそ、届いたの?」
「はい」
廉はキッチンの椅子に座った。
「いただきます」
ごくんと1口飲むと嬉しそうな顔をした。
「美味い!この味だよ」