君だけが、僕の世界
第1話 夢の中の男の子

『第1話 夢の中の男の子』


◯夢の中・草原

・やわらかい風が草を揺らす。光が白くぼやけている。
モノローグ:あったかい風が吹いている…
・画面奥に小さな男の子のシルエット。顔は光で見えない。

・男の子がシロツメクサの冠を両手で持ち、月々の頭にそっと乗せる。
男の子:「…ちゃん」
月々(心の声):(誰だっけ…、また思い出せない)

・男の子の口元だけが映る。優しく微笑んでいる。
男の子:「大きくなったら結婚しようね」

◯現実・目覚まし、朝

・突然、画面いっぱいに目覚まし時計のベルが鳴る。
SE:ジリリリリリ――!

・ベッドの上、目を開ける月々。まぶしそうに目を細める。
モノローグ:また、顔見れなかったなぁ…

◯部屋の描写

・カーテンの隙間から朝の光が差し込む。机の上には教科書や小物が散らばっている。
・ベッドから起き上がる月々。

・制服準備
・クローゼットを開けて制服を取り出す月々。
モノローグ:今日はどうしようかな…

・鏡の前
・ブレザーを手に持って、着るか迷う表情。
月々(心の声):(ちょっと暑そうだし、やめとこう)

・最終コーデ(グレーのカーディガンに黒スカート、赤いリボン姿。机の上にブレザーを置きっぱなしにする)

◯階段

・制服姿の月々が階段を降りていく。朝の光が差し込む。
母:「月々、朝ごはんできてるよ~!お母さんもう仕事行くから~」

◯リビング

・月々がリビングに入る。母はバッグを肩にかけて玄関へ向かっている。
月々:「ありがと~!行ってらっしゃい」
母:「行ってきます!」

◯洗面所

・月々が鏡の前に立ち、髪をコテで軽く内巻きにする。
モノローグ:髪の毛を全体的に少しだけ内側に…

・洗面所アップ
・ビューラーで睫毛を上げる。真剣な表情。
モノローグ:睫毛を上げて…
・マスカラを丁寧に塗る。目元が強調される。
月々(心の声):(よし…!)

・全身の姿。身長160センチ。前髪ぱっつん、胸下まで伸びた黒髪ストレート。透き通る肌、大きな目。

◯リビング・食卓

・月々がテレビを横目にしながら朝ごはんを食べる。
月々(心の声):(櫻井月々。16歳。どこにでもいる普通の高校2年生です)

・テレビ画面(ニュースキャスターが映る。テロップが流れる)
テレビ:「女優の○○さんが、昨日自身のインスタグラムで結婚を発表しました――」

・食卓アップ(月々が箸を止めて、テレビを見つめる)
月々(心の声):(結婚…)

◯洗面所・仕上げ

・月々が桃色のリップを塗る。鏡に映る自分を見て、少し微笑む。



※場面転換



◯登校道
・月々が通学路を歩く。朝の光、並ぶ家々。少しぼんやりした表情。
月々(心の声):(毎日よく夢を見る。男の子の夢…)

・夢の回想カットイン(シロツメクサの冠を頭に乗せる男の子の手。顔は白くぼやけて見えない)
月々(心の声):(その男の子は、私に冠を被せながら、こう言うの) (「大きくなったら結婚しようね」って)

・現実、登校道
・月々が友達に「おはよ~」と挨拶しながら歩く。
月々(心の声):(毎日夢を見るのに、肝心な顔が見えない…あの子は誰なんだろう――)



※場面転換



◯昼休み・教室

・机をくっつけて、月々・桜・日菜子が弁当を広げる。
桜の容姿:金髪ボブ、前髪ありのうち巻き。目がクリクリ。身長155センチ。いつもカーディガンの代わりにバーカー着てる。 日菜子の容姿:胸下まで伸びたダークブラウンの前髪なし。身長164センチ。紺色カーディガンにリボンなし。
桜:「最近寒くなってきたよね~そろそろブレザー解禁かな」
月々:「確かに~。今日の朝ちょっと迷っちゃった」

日菜子:「それはそうと、明日うちのクラスに転校生来るらしいよ」
・桜の目が飛び出すようなリアクション。
桜:「どこ情報!?」
・月々と日菜子が桜の食いつきに驚く。
日菜子:「今日の朝、職員室でたまたま聞いたの」
桜:「えー!男の子?女の子?」
日菜子:「さあ?そこまでは」

・桜が身を乗り出して月々を見る。目がキラキラ。
桜:「男の子がいいな~。月々もそう思うよね!?」
・日菜子は呆れ顔。
・月々が少し困ったように笑いながら答える。
月々:「う~ん…私はどっちでもいいかな~」

・桜の妄想トーク。
桜:「え~…私はイケメンがいいな~あわよくば連絡先をゲットして~」
日菜子:「桜は図々しい」
・「え~ん」と泣きながら月々に縋り付く桜。月々がなだめる。
桜:「いいよね、日菜子は~彼氏がいてさ…しかも中学からでしょ?」
日菜子:「私のことはいいの!」

・月々が友達を見つめながら、少し遠い目。
月々(心の声):(みんなそれなりに恋してる。私もいつか…)



※場面転換



◯夕方、マンション前

・夕焼けの光。マンションの前で、男の人が畳んだ段ボールを散らかして慌てている。
男の人:「わー!!もう、最悪…」

・月々が慌てて走り寄り、段ボールを拾う。
月々:「大丈夫ですか!?」
男の人:「…ごめんね。帰り道にこんなことさせて」
月々:「いえいえ」

・段ボールを取ろうとした手が重なり、顔を上げる月々。目が合う。
・男の人の顔のアップ。
男の人の容姿:柔らかい黒髪のセンター分け。大きな瞳。綺麗な顔。好青年の印象。

・月々の胸がドキッとする。背景に花のような効果。
男の人:「ありがとね、手伝ってくれて」
月々(心の声):何故か、懐かしい感じがする。(なに?この気持ち…)

・男の人がマンションに入っていく。月々も無言で後をついていく。
男の人:「ほんとにありがとう。帰り、気をつけてね」

◯エントランス

・振り返る男の人。
男の人:「…えっと~」
月々:「…私も、ここなんです」
男の人:「えー!そうなの!?何階?」
月々:「6階です」
男の人:「えっ!一緒じゃん!」

◯エレベーター内

・月々と男の人が並んで乗る。少し緊張した空気。
男の人:「…って隣!?」
月々(心の声):(ええ…まさかの急展開。最近お隣さん静かだなと思ったら、引っ越してたのか~)

・男の人が振り返り、改めて自己紹介。
男の人:「では改めて。今日から隣に引っ越してきた久我彩月です。よろしくお願いします」
・月々がドキッとする。背景にキラキラ効果。
月々:「櫻井月々です。よろしくお願いします」
・月々が深々とお辞儀。彩月が驚いた表情。
彩月:「…もしかして、月々ちゃん?」
月々:「え?」

・病院の子ども時代のシーンがフラッシュバック。夢の男の子の顔が重なる。
彩月:「子どものころ、病院でよく遊んだ――」
月々:「もしかして、さっちゃん?」
彩月:「そう!そうそう!懐かしいな~その呼び方!」

・月々の目が潤み、胸に手を当てる。
月々(心の声):(…さっちゃん。ほんとにさっちゃんだーー!!)

< 1 / 15 >

この作品をシェア

pagetop