君のためにこの詩(うた)を捧げる
放課後。


雨上がりの帰り道。


「君、有名人なんだってね。橘輝くんと仲良いって」



「そんなの、ただの噂だよ」



「そう?」
湊は笑った。



「でも、あのニュース見た。あの写真の子、君でしょ?」


足が止まる。



「……なんでそう思うの?」



「勘。俺、そういうの鋭いんだ」


少し怖くて、でもどこか惹かれるような笑み。



その夜、澪のSNSには“知らないアカウント”からフォローリクエストが届いた。



アイコンは青い花の写真。

――朝倉湊。
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