君のためにこの詩(うた)を捧げる
校舎の外では、街の灯りが瞬き始めていた。



遠くで撮影スタッフの笑い声が響く。



でも、二人の世界はもうそこにはなかった。



「これからは、一緒に見よう。
どんな光の中でも。」


「うん……約束だよ、ひかる。」


風が吹き抜け、
桜の花びらが二人の間を舞った。


そして、
二人はもう一度、そっと唇を重ねた。

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