君のためにこの詩(うた)を捧げる
春休みの午後。
駅前のカフェ。 澪はノートを広げて、受験勉強をしていた。
そこに――。
「お待たせ」
マスクとキャップをつけた輝が、 いつもの笑顔で座る。
「おつかれ、ひかる」
「うん、今日リハーサル早く終わった」
二人の会話は、もう自然だった。
隠さない。焦らない。
“普通の恋人”として生きる時間。
「そういえば、七海から連絡あったよ」
「ほんと?」
「うん。『夢叶った』って。東京のメイク専門学校受かったんだってさ」
「すごい……よかった」
「それと、湊くん」
「……うん」
「今、イギリス行ってる。音楽勉強するって」
澪は目を見開いた。
「そうなんだ……」
輝は少し笑って、コーヒーを口にした。
「みんな、前に進んでるな」
「そうだね」
澪は、輝の横顔を見つめた。
変わらず優しいけれど、 その瞳の奥に、強い決意が宿っていた。
「ねえ、ひかる」
「ん?」
「これから、どんな未来が来ても―― また迷ったら、あの屋上で会おうね」
輝は一瞬、驚いたように澪を見て、 そして柔らかく笑った。
「……約束。」
指切りの代わりに、 輝が澪の手をぎゅっと握った。
駅前のカフェ。 澪はノートを広げて、受験勉強をしていた。
そこに――。
「お待たせ」
マスクとキャップをつけた輝が、 いつもの笑顔で座る。
「おつかれ、ひかる」
「うん、今日リハーサル早く終わった」
二人の会話は、もう自然だった。
隠さない。焦らない。
“普通の恋人”として生きる時間。
「そういえば、七海から連絡あったよ」
「ほんと?」
「うん。『夢叶った』って。東京のメイク専門学校受かったんだってさ」
「すごい……よかった」
「それと、湊くん」
「……うん」
「今、イギリス行ってる。音楽勉強するって」
澪は目を見開いた。
「そうなんだ……」
輝は少し笑って、コーヒーを口にした。
「みんな、前に進んでるな」
「そうだね」
澪は、輝の横顔を見つめた。
変わらず優しいけれど、 その瞳の奥に、強い決意が宿っていた。
「ねえ、ひかる」
「ん?」
「これから、どんな未来が来ても―― また迷ったら、あの屋上で会おうね」
輝は一瞬、驚いたように澪を見て、 そして柔らかく笑った。
「……約束。」
指切りの代わりに、 輝が澪の手をぎゅっと握った。