さびしがりやの毒花




「こんにちは……どうされました?」



すぐに駆け寄った。


どきどき、どきどき
さっきの藤間先輩からのメッセージなんか比じゃないくらい緊張してる。

いや、緊張というか、昨日は意味のわからない態度でお別れをしてしまったからなのだけど。



「純」



呼ばれる。
その響きはやはり平坦で。

けれども昨日のように蠱惑的な毒はいっさい感じなかった。


あれ?




「純、これ、ジャージ……」



差し出されたのは紙袋だった。
中には深紅のジャージが畳んで入れてある。

わたしが吉崎先輩の上に乗せてあげたものだ。



「昨日はごめんね、ありがとう。ほんと、いろいろ助かった」



ジト目がふわりと細められる。



「いえ、おかまいなく。体の具合はどうですか?」

「うん。へいき」



端的な返事。

うん、嘘はなさそう。
きっと先輩は無理なら無理と言うタイプ。

本当にすこしだけ元気そうなのが見てとれた。

弓なりに描かれた薄いくちびるも幾分か色づいているようで安心する。


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