さびしがりやの毒花
紙袋を受け取れば、中からふわりと甘い匂いがした。
「ん、この匂い……」
「におい?きちんと洗濯はしたはずだけど……」
「いえ。いい匂いだなとおもって」
わたしの素直な感想に、吉崎先輩はさらに笑みを深めた。
「ハニーノート。好きなんだ、この香り」
「はにー、のーと」
「そう。好きだから、香水ふっといた」
なるほどね、香水のにおいだったのか。
……じゃなくて、えっと、吉崎先輩は自分の香水を、このジャージに振りかけたってこと?
好きな香りだから、わたしにも共有したくて……という解釈でいいのかな?
「……そう、ですか」
うまく反応ができなかった。
吉崎先輩の言動に対し、深く踏み込むのはあまりよくないと直感がいってる。
とはいえ、だ。
昨日感じた"危険な兆し"
これが気のせいだなんておもわないけど、現時点ではまったく感じとれないし、怯えすぎるのも失礼だよね。
ここは穏便にやりすごそう。