離婚するはずが、凄腕脳外科医の執着愛に囚われました
「未依。準備できたか?」
自室でぼうっと考えていたところにドアの向こうから声がかかり、未依はハッとして顔を上げた。
「あっ、ごめん、もう少し待って!」
未依は慌てて返事をすると、ソファやラグに何着も並べられた服に意識を戻す。
(これだと、やっぱり少し子供っぽいかな。律くんと並んで歩くなら、もう少しスッキリしたシルエットの方が……)
こうしてクローゼットから大量の服を引っ張り出して悩んでいるのにはワケがある。
これから律と出かける予定なのだ。
一緒に暮らし始めたものの、休日が重なったのは今日が初めて。
未依は午前中に家事を済ませ、午後はひとりで買い物にいこうと思っていたが、夜勤明けで昼前に起きてきた律から一緒にランチを食べに行こうと誘われた。
なかなか顔を合わせられないことに罪悪感を抱き、なんとか時間を捻出しようと考えてくれたのだろう。