離婚するはずが、凄腕脳外科医の執着愛に囚われました
そんな声を何度耳にしただろう。昔から律と歩いていると兄妹と勘違いされることが多かった。実年齢よりも年下に見られるのに慣れているとはいえ、夫婦となった今も周囲から兄妹と思われるのは、なんだか面白くない。
だからこそ、なにを着ていくべきか決めかね、随分部屋を散らかしてしまっている。
(私、律くんと夫婦に見られたいって思ってる……?)
そう自覚すると、急に恥ずかしくなってくる。着ていく服を悩むなんて、まるでデートのようだ。
実際、律の体調が心配ではあるものの、こうしてふたりで出かけることを嬉しく思っている。どこに行くかも決まっていないのに、ウキウキと胸が弾んでいるのだ。
その理由を考え出そうとして、再びハッとする。これ以上、律を待たせるわけにはいかない。
未依は急いで黒いブラウスにグレンチェックのミドル丈のスカートを身につけた。これなら色味もシックで大人っぽいし、季節感もある。
未依はもう一度鏡で全身をチェックしてから部屋を出た。
「ごめん、お待たせ」
リビングで待つ律の元へと向かうと、彼はすでに準備万端といった様子だった。