離婚するはずが、凄腕脳外科医の執着愛に囚われました
薄手のニットにスキニーパンツというシンプルな出で立ちが、律の素材のよさを存分に引き立てている。
子供の頃から律の私服姿など見慣れているはずなのに、デートのようだと意識しているせいか、いつもの何倍もカッコよく見えてしまって困る。
「いや。じゃあ行こうか。ランチ、リクエストはあるか?」
「どこでもいいの? 病院の近くに新しくできたカフェが美味しかったって同僚の子に教えてもらったから、行ってみたかったの」
「じゃあ、散歩がてら歩いて行くか」
ふたりで自宅を出て、ゆっくりと歩く。ただそれだけのことが新鮮で、つい口元が緩んだ。
「な、なんかデートみたいだね」
「デートのつもりだけど? 言ったろ、新婚生活をやり直しさせてほしいって」
そう言うと、律がこちらに手を差し出してくる。
「手、繋ぎたい」
ストレートに請われ、未依はお手をする犬のように反射的に手をのせた。ぎゅっと握られ、指が絡む。
(わっ、わぁ……っ!)
いわゆる恋人繋ぎに、未依の心臓がびょんっと跳ねた。