離婚するはずが、凄腕脳外科医の執着愛に囚われました

たとえそうだとしても、それは律の努力と才能が認められたからこそ支払われた報酬だ。自分のために使ってほしい。

そう伝えると、律は大きく頷いた。

「だからこそ、未依へのプレゼントに使いたいんだ。指輪を買いたいって言ったら困るか?」
「……指輪?」
「婚約指輪も結婚指輪も渡してなかっただろ。遅すぎるのはわかってるけど、できれば今からでも贈らせてほしい。シンプルなものなら、仕事中もつけられるだろうから」

入籍した時は指輪だけでなく、結婚式も新婚旅行もなかった。律はそれを悔やんでいるらしい。

「本当はこれを渡して、離婚を先延ばししてもらおうかと考えてた。まさか未依から撤回してもらえるとはな」

律は身体ごと未依へと向き直る。それにつられるように、未依も姿勢を正した。

「職業柄、ずっとそばにいるとは言ってやれない。仕事を優先する時もあるし、約束を守れない日も出てくる。たぶんこれからも、俺はいい夫にはなれない」
「私は看護師だよ。律くんが仕事を優先するのも、約束を守れないことがあるのも、ちゃんとわかってるつもり。だから、いい夫になれないなんて言わないで」
「寂しい思いをさせるかもしれないのに、それでも未依を手放せないんだ」

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