離婚するはずが、凄腕脳外科医の執着愛に囚われました
律はそっと未依の唇を人差し指で塞ぐ。
「続きは、家に帰ったあとにしよう。いよいよここで未依を抱き潰してしまいそうだ」
ひぇっと悲鳴のような声が出たのは、決して未依のせいではない。
数種類の指輪をのせたトレイを持った販売員の女性が戻ってきたのは、その数秒後。
彼女の「お待たせいたしました」と言う声が上擦り、心なしか顔が赤らんでいたのに気付いて、未依は気絶しそうなほど恥ずかしかった。
帰宅したのは、午後六時頃。
あのあと、いくつかの候補の中から結婚指輪を選んだ。
『婚約指輪は……もういいんじゃないかな?』
見せてもらった指輪はどれも素敵だったが、ごろっと転がり落ちてしまいそうなほど大きなダイヤのついた指輪をつけて出かける予定などないし、恐ろしくてつけられそうもない。