離婚するはずが、凄腕脳外科医の執着愛に囚われました
若干涙目になった未依だが、律から『婚約指輪の代わりだ、受け取ってほしい』と言われてしまえば断れない。つけるのは律との特別なデートの日だけにしようと心に決めたのだった。
「未依」
「ん? なに――んっ……!」
玄関を入り、靴を脱いだ直後。
名前を呼ばれて顔を上げる間もなく、未依は唇を塞がれた。
まだ数えるほどしかしたことのないキスはいまだに慣れず、唇が合わさるたびに心臓が破れてしまいそうなほど緊張している。
そのため、律は『ゆっくりペース』という未依との約束を律儀に守り、触れるだけのキスに留めてくれていた。
けれど、今は違う。
身体を廊下の壁に押しやられ、噛みつくかのように唇を奪われた。その合間から差し込まれた舌が容赦なく未依の舌を絡め取り、呼吸ごと呑み込んでいく。
「ふ、……あっ」