離婚するはずが、凄腕脳外科医の執着愛に囚われました

それでも自分で処分しなかったのは、未依の要望を一番に考えてくれていたからだと知り、律への愛おしさがさらに増したのだ。

「ご心配をおかけしました」
「とんでもない。うちの愚息が申し訳なかったわ」

富美は肩を竦め、大げさなため息をついた。

「未依ちゃんとの電話を聞かれて千咲さんに逃げられた櫂といい、未依ちゃんになにも言わずに離婚されかけた律といい、うちの息子たちは本当にどうしようもないわね」

その辛辣な言い草に、未依もつられて笑ってしまう。

「ふふっ。病院で大人気の『須藤兄弟』をそんな風に言えるのは、きっと世界中探しても富美さんだけだよ」
「あら、未依ちゃんと千咲さんには言う権利があるのよ。思いっきりワガママ言って、少しは困らせてやったらいいのよ。それでなくても、医者の嫁なんて我慢することが多いんだから」

律からも同じようなことを言われたのを思い出し、やはり親子なのだなとおかしくなった。

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